東芝と東電が共同事業をはじめるってよ

どうもagaruです。

こんなニュースを観ました。

 

東電と東芝、柏崎刈羽原発工事で新会社設立へ

東京電力ホールディングスと東芝エネルギーシステムズは3日、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)6号機の安全対策工事を担う共同出資会社を、6月中旬にも設立すると発表した。出資金は3億円で、両社が折半する。安全対策工事に関する知見を持ち寄ることで、工事の効率化などを目指す。

 

東電は、原発の再稼働に本腰を入れるのかと驚きました。

 

元電力社員である私は

東電は、もう本気で再稼働に取り組む気はないのかと考えていたのです。

 

これは、成功すれば電力業界にとって大きな前進と言えるでしょう。

新設会社がなぜ、東電の原子力への本気度を測れるものなのかについて

ご説明しましょう。

 

新設会社を作るメリットとは

結論から申し上げて

このようなメリットがあります。

現場工事を東芝グループで一括受注できる

東電は東芝のノウハウ・人材を借りることが出来る

国への審査に対して、事業者メーカー一体で対応できる。

電力とメーカーが組むのにはかなりメリットがあるのです。

 

そして、原子力業界は大きく原子炉の種類で2つに分かれます。

1つは福島原子力発電所で事故を起こしたBWR型原子炉

もう1つはPWR型原子炉

 

これらの詳細は今回は割愛しますが、

後者のPWR型原子炉は、三菱重工が主導して、日本の各地で再稼働を果たしています。

 

しかし、前者のBWR型原子炉は日本で1つたりとも再稼働できていないのです。

(2020年6月現在)

 

科学的知見によって原子炉の安全性を国に納得させるにはメーカーの力が不可欠です。

三菱重工は、高い技術力と財力によって

複数の電力会社で再稼働を果たし、その知見をさらに広げています。

 

しかし、東芝は、原子力にそこまで投資できないと二の足を踏み続けていました。

実際、東芝はアメリカの原子力メーカー買収に失敗し、大きく業績を落としていました。

 

一括受注のメリット

事故を起こして力を落とした東電

業績不振にあえぐ東芝

 

彼らが手を組んだのは、

技術が欲しい者・安定した収益が見込みたい者

両社の思惑が合致したためです。

 

単独ではマイナス要素でしかなかったのですが

2社で組んだことで、可能性が生まれます。

 

そして、ここに他電力もノウハウを得たいと人材を貸してくれるでしょう。

BWR型原子炉を保有する電力会社にとっては希望の星です。

 

通常、電気事業者がメーカーに発注する場合、

競争発注になります。

 

これによって、安く入札したメーカーが契約をできるのです。

 

しかし、共同事業とすることによって

発注先はすべて東芝になります。

 

これによって安定的な収益を見込めるのです。

 

東電のメリットは?

東電は福島事故後の人材流出が止まりません。

さらに、原子力業界においても

 

安全性を追究するというはずの国が、

最も非科学的なファンタジーのような理屈を述べるため

技術者が流出しています。

 

そんな中で、

東芝の人材をフル活用でき、他電力からも人材が寄ってくる。

 

注目度も上がり、

国との審査を行う上でかなりの前進でしょう。

 

一体となって国との審査にあたれる

国は、原子力については事業者が全責任を負うものとしたがっている節があります。

責任を負いたくないのでしょう。

 

ファンタジックなイチャモンもつけて事業者を困らせてはいますが、

ここにメーカーが入ることで、

ファンタジーを否定する力が事業者に加わります。

 

さいごに

ニュースでは、

原子力規制委員会の

かっこいいセリフばかりが切り取られて放映されるため

 

期限を守らない・データ改ざんしているなど

事業者が悪いようなイメージをお持ちの方が多いと思います。 

 

しかし、実のところ

国が原因であることが第3者機関に指摘されたり、

最近ようやくされ始めたのです。

 

日本の事業者たちは大きな金額と人手をかけて科学的に安全性向上を目指します。

 

間違いなく事業者は変わってきています。

ただ、福島事故から国は変わっていない。

 

そんな環境のせいにせず、共同事業化で事態の打破を狙う

東電・東芝には、

1技術者として尊敬の念を抱きました。

 

元業界関係者のボヤキとなりましたが興味を持っていただけると幸いです。

 

ではまた!

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電力会社に勤め、ルーティンのみをこなす自分の人生に疑問を感じ、FIREに興味を持ちました。
自分の人生、自分でキャリア設計し、自分のやりたいことを仕事にしようと考え転職そして留学を決意。

留学で変わった自分の人生を経て、より多くの人が自分を変える機会を得られるようにブログを発信し続けます。

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